トラベルジャーナル20160208「国際情勢の変化とツーリズム」

視座「サミットのレガシーとMICEの可能性」中村好明氏(ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長)


  • 今回のサミットは、伊勢志摩での首脳会議に加え、関係閣僚会議が10都市(つくば、高松、広島、仙台、倉敷、神戸、新潟、北九州、軽井沢、富山)で開催される。
  • サミットを通して、優れたレガシーを生むことを提案する。すなわち、(1)シティ・アイデンティティ(自分たちの故郷の固有性、短所と長所を自覚すること)の確立、(2)アフィニティ(市民のインバウンド支持率)アップ、(3)国際MICE都市としての本格スタートの3つである。

Week's Topics


  • JTB、全社最適へ戦略転換(取扱額2兆円へシナジー発揮 訪日・仕入れ強化)。個社最適から全社最適へ。足し算経営から掛け算経営へ。戦略的な業務・資本提携を通じたオープンイノベーションの推進。
  • 訪日外国人消費額、初の3兆円突破(中国牽引 買い物代シェア4割)。一人当たり17万6,168円(16.5%アップ)。3兆円は自動車部品産業と同じ規模。日本で5本の指に入る輸出産業へ。
  • 15年国際到着客、4%増の11.8億人(ユーロ安で欧州5%増 16年は米・アジア主導)。2015年のインバウンド数は前年比4.4%(5,000万人)増の11億8,400万人に。ユーロ安となった欧州への訪問客が5.0%の6億9,000万人となった。


News in brief

  • JATA、16年は海旅復活の都市。ツーウェイツーリズムを通じて、地方の出国者数増加を狙う。
  • JTB、法人向け事業4社を統合(MICE・広告・人材で一括対応)。JTBコミュニケーションズ、ICSコンベンションデザイン、JTBモチベーションズの一部事業を統合し、「JTBコミュニケーションデザイン」を設立。法人事業の課題を一括で請け負う。
  • 寄港地に大型無料駐車場確保(コスタ、ドライブ&クルーズ促す)。


From the world

  • 15年アメリカ旅行業界10大ニュース
    1. キューバ国交回復
    2. テロ連続発生
    3. 買収競争が激化
    4. クリスタルクルーズ成長戦略
    5. ルフトハンザのGDSフィー導入
    6. 「バハ・マー」計画破綻か
    7. シェアリング経済隆盛
    8. ファザムクルーズの社会貢献
    9. オープンスカイ協定で意見二分
    10. ドル高・元安の進行
  • 米地方路線の運休増加(地方路線の相次ぐ運休はパイロット不足が原因)
  • Airbnbが違法営業(アメリカ主要12都市におけるAirbnbのホストの40%が2軒以上の物件を営業し、30%が年間で360日以上の営業をしている”フル・ホスト”であるという調査結果)

特集「国際情勢の変化とツーリズム」テロの時代のビジネス展望


  • ツーリズムビジネスは、グローバルリスクや地政学的リスクとの共存が避けられない。それを前提にした上で、適切な情報収集や情勢判断によって危険に遭遇する確率を下げることを考えるほかはない。
  • 2016年版PHPグローバル・リスク分析
    1. 中国経済悪化と国際商品市況低迷に挟撃されるアジア中進諸国
    2. 止まらない中国の海洋進出が招く緊張の増大と拡大
    3. 深まる中国依存と主体思想の狭間で揺れ動く北朝鮮
    4. テロと移民問題がもたらすEUの亀裂と反統合の動き
    5. グローバル化するISILおよびその模倣テロ
    6. 加速するサウジアラビアの国内不安定化と原油市場の混乱
    7. 地域覇権を目指し有志連合内で「問題児化」するトルコ
    8. 選挙イヤーが宙づりにする米国の対外指導力
    9. 金融主導グローバル化の終焉で幕が開く、大企業たたきと「P2P金融」時代
    10. 加速するM2M/IoTが引き金を引くサイバー脅威の現実化
  • ユーラシアグループ「トップリスク2016」
    1. 空洞化する同盟(NATO)
    2. 閉ざされた欧州
    3. 中国の足跡
    4. ISISとその友人たち
    5. サウジアラビア
    6. 技術主義者の台頭
    7. 予測不可能な指導者
    8. ブラジル
    9. 選挙の過少
    10. トルコ


「国際流動はどう変化したのか」牛場春夫氏(フォーカスライト日本代表)


  • 過去32年の世界の旅客数の推移を見てみると、前年比マイナスとなったのはわずか2回(91年湾岸戦争、08−09年リーマンショック)。次々に発生したテロや事件に対して、国際航空旅客需要は影響をうけていないように見える。旅行者の旅行願望には根強いものがある。
  • しかし、一人当たりの飛行距離で見てみると、13%(3,351km→2,904km)も大きく減少していることがわかる。起きているのは長距離旅行の減少であり、背景には新中間所得層の増加がある。

本原稿は、株式会社トラベルジャーナル社発行「TRAVEL JOURNAL」の記事を抜粋して掲載しております。詳細につきましては、購買の上ご購読をお願いいたします。

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